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2017年4月28日 (金)

琵琶湖疏水 桜と十石舟

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

先日、南禅寺を訪れた後、疎水沿いに川端通まで歩きました。歩き始めた頃はすでに陽が傾いていて、途中で暗くなりライトアップが始まりました。最後にGWに特別公開される寺院その他を紹介します。(上は動物園前の南禅寺船溜り。)

下はインクラインの方、花見客でにぎわっています。

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この噴水は、琵琶湖疏水の高低差(蹴上と南禅寺の船溜り)による水圧だけを利用している「ナチュラル噴水」です。右から蹴上発電所を通ってきた水が流れ込みます。

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中央に「白川」の流入口が見えます。琵琶湖疎水の開通によって白川はここで疏水に合流して、神宮道の西で再び分かれて南に流れていきます。ですから、南側の白川の水はほとんど琵琶湖疎水の水です。

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右に「岡崎さくら・わかば回廊 十石舟めぐり」の乗船場があります。丁度船が帰ってきました。このあたりの疎水沿いの道は「六勝寺の桜並木」といわれています。平安時代に建立された「勝」の字が付く六つの寺があった場所です。

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向こうの市立動物園にも桜がいっぱいあります。このあたりには白河天皇が建立した六勝寺のうち最大の「法勝寺」がありました。その南庭には高さ80mに達する巨大な八角九重塔があったそうです。

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途中で岡崎道を過ぎて、向こうは京都市美術館。再整備工事のため4月10日から3年間休館します。命名権の対価で工事を行い、今後「京都市京セラ美術館」という名称になる予定です。

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平安神宮の大鳥居

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神宮道の橋の上から東(今来た方向)を見ると、先ほどの船が新しいお客を乗せてやってきました。

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今年の十石舟は3月25日(土)~5月7日(日)の期間に運航します。左に白川へ流れる分岐点があります。

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ここから白川は南の方に流れていき、その西側の散策路もきれいに整備されています。

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「京都国立近代美術館」

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琵琶湖疏水が西から北に向きをかえる場所。北の方から十石舟が帰ってきました。この時、桜の下の照明が灯りました。当初のライトアップは3月25日(土)~4月9日(日)の期間でしたが、桜の開花が遅れて4/11(火) まで延長されました。

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ライトアップの期間、十石舟は8時00分発~20時30分発まで運航します。

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ライトアップ以外の期間は、9時30分~16時30分発まで運航し、当日の状況によって17時30分発まで運航する場合もあるとのことです。 こちらは東の方、もう一隻やってきました。舟がすれ違うときは右側通行のようです。

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対岸は「みやこめっせ(京都市勧業館)」で、この辺りには近衛天皇(1139~1155)が建立した「延勝寺」がありました。

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二条通りの橋の上から、右に「ロームシアター京都」(旧京都会館)があります。

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ところで、京都にとって琵琶湖の水を引くことは昔からの夢でした。第3代京都府知事となった北垣国道は、明治維新による東京遷都のため沈滞した京都に活力を呼び戻すため、琵琶湖疏水の建設を計画しました。

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疏水の主な目的は、水力で新しい工場を興し、舟で物資の行き来を盛んにすることでした。工事途中で、水力(水車)の代わりに水力発電を採用したことにより、新しい産業が興り、路面電車も走るようになりました。(北から西に向きを変える場所から西の方角。)

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水運は、明治23年に大津、藤尾、山科の各運河とこの鴨東運河lが完成し、明治27年に鴨川に沿う鴨川運河が開通し、大津と伏見が水路で結ばれました。高低差がある山科と鴨東運河の間にはインクラインが設けられました。

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水路が開通してから十数年間は、旅客も貨物も大いに利用されました。貨物では、大津からの下りは米・砂利・薪炭・木材・煉瓦など、伏見からの上りは薪炭などが多かったそうです。

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しかしながら、大正元年(1912)に京津電気軌道(現京阪京津線)が開業、大正4年(1915)に京阪本線の五条-三条間が延長され、電車で大津と伏見が直結されるようになると、唯一残っていた渡航船会社の京近曳船は廃業しました。

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戦後の昭和26年(1951)に新会社が屋形船を運航しましたが、同年冬の第1疏水取入口改造工事のため停止しました。

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琵琶湖疏水の水運の利用は無くなりましたが、増大する電力需要と水道水確保のため第2疏水工事が開始され明治45年に完成しました。大正3年(1914)には夷川と墨染にも発電所が建てられました。

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夷川船溜りの北垣国道像は明治35年(1902)に建てられました。

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十石舟はここで折り返し、南禅寺と夷川の船溜り間を25分で往復します。

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夷川発電所の放出口、落差3.4mを利用して常時280kWを出力する無人発電所(関西電力)です。

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川端通から東を振り返って、左に「白川放水路」が平行に設けられています。白川は豪雨になると大変増水するので、こちらの水路にも分流します。

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最後に、GW中に特別公開が行われる(終了する)寺院その他を紹介します。GW以後も公開している場所は省略しています。

現在~5月2日(火) 西本願寺花灯明・夜の参拝・特別拝観
現在~5月5日(金) 得浄明院・戒壇めぐりと一初鑑賞会
現在~5月7日(日) 高台寺・春の特別展、圓徳院・春の特別展、銀閣寺・春の特別公開、正伝永源院・春の特別庭園公開(建仁寺)
4月28日(金)~5月7日(日)青蓮院・夜の特別拝観、将軍塚青龍殿・夜間特別拝観、無鄰菴・新緑ライトアップ
4月28日(金)~5月25日(木)東寺五重塔・初層の特別拝観
4月29日(土)~5月7日(日) 成就院庭園・特別公開(清水寺)
5月1日(月)~5日(金) 神護寺・寺宝の特別公開
5月3日(水)~7日(日) 蹴上浄水場の一般公開、安楽寺・春の特別公開

白川と疏水の鴨川放出口

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琵琶湖疏水は、ここから鴨川と並行して南下して「鴨川運河」と呼ばれました。

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2017 桜3」カテゴリの記事

コメント

雨の後っぽい桜に、
灯りと水面。全てが揃ったような春景色。
ここもいいスポットですよね。

投稿: munixyu | 2017年4月28日 (金) 10:42

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