« 紅葉2016 天龍寺 | トップページ | 紅葉2016 大河内山荘 »

2016年11月21日 (月)

紅葉2016 天授庵

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

Jnc_1810a
※写真は全てクリックで拡大します。

一昨日の記事の南禅院を出て天授庵を訪れました。いつも閉まっている正門の脇に「開山大明国師霊光塔」の石標があります。大明国師とは、南禅寺の開山・無関普門のことです。

Jnc_1589a

「天授庵」は、南北朝時代の暦応2年(1339)に光厳天皇の勅許により虎関師錬が南禅寺開山・無関普門の塔所として建立されました。無関普門が亡くなってから48年後のことです。

Jnc_1591a_3

無関普門は、1281年から東福寺3世として住持を務めていましたが、1291年の南禅寺創建のおりに亀山上皇に開山として招かれました。しかしながら、病にかかり住坊であった東福寺・龍吟庵に移ります。(拝観受付の横に庭園の入口があります。)

Jnc_1617a

上皇は普門を見舞い、手づから薬湯を与えるなどしましたが、同年龍吟庵で亡くなってしまいます。こうして、東福寺・龍吟庵は無関普門の塔所となりました。(庭の隅に鎮守が祀られています。)

Jnc_1620a

室町時代になって、南禅寺15世・虎関師練(こかんしれん)は、南禅寺山内に開山の塔所がないことを遺憾に思い、光厳天皇から塔所建立の勅許を得て天授庵を創建したのです。(方丈前庭が見えています。)

Jnc_1624a

この地は鎌倉時代に駒大僧正が最勝院を建立した場所でした。駒大僧正の怨念を退治したことが、無関普門が南禅寺の開山に招かれるきっかけでしたので、因縁の場所です。

Jnc_1639a

方丈(本堂)は安土・桃山時代(1602)に建立され、無関普門禅師等身大の木像(重文)や細川家歴代の位牌書などが納められています。(以下の方丈前庭は閉門間際に撮影したものです。)

Jnc_1819a

その後の天授庵は、何回か火災に遭い、特に応仁の乱(1467-1477)で焼失した後は荒廃してしまいました。(正門の内側)

Jnc_1806a

安土・桃山時代の1602年、南禅寺226世・玄圃霊三は、荒廃していた天授庵を再興するために、弟子の雲岳霊圭を天授庵主としました。

Jnc_1816a

この庭は、「淵黙庭」とよばれる枯山水庭園で、鎌倉時代の創建時に造営されたと考えられています。苔で縁取られたひし形の敷石が正門から方丈に続いています。これは近代になって敷かれたものだそうです。

Jnc_1818a

霊三は、知友の細川幽斎(1534-1610)に援助を求め、方丈、正門、旧書院、塔などが再興されました。それ以降、幽斎の廟所が造られるなど、細川家ゆかりの寺院となりました。

Jnc_1804a

細川幽斎(1534-1610)は戦国時代から江戸時代初期にかけての武将、大名で、当初は足利氏に仕え、後に織田信長のもとで大名となりました。

Jnc_1798a

方丈前庭の南にある石畳は江戸時代(1610)に造られ、幽斎夫婦の墓所に向かいます。

Jnc_1654a

方丈の南に回ると、第二の庭園の入口があります。

Jnc_1657a

「書院南庭」は、鎌倉時代末から南北朝時代にかけて造られた池泉回遊式庭園で、天授庵創建当時の面影を残しているといわれています。

Jnc_1679a

Jnc_1698a

書院南庭には小さい東池と大きな西池があり、こちらの東池の滝や出島には作庭当時の石組みが残されているそうです。

Jnc_1792a

*記事の最後にある「お願い」をよろしく。

Jnc_1794a

西池に来ました。散策路はこの池の周囲を回ります。

Jnc_1697a

池の南は竹林になっています。

Jnc_1706a

西池の南に来ました。

Jnc_1715a

西池の北側には一面に散紅葉が浮かんでいます。

Jnc_1757a

書院の西にも出入り口がありますが、この日は引き返すようになっていました。

Jnc_1773a

帰りは西池の北を通ります。池の向こう(南)の竹林が見えます。

Jnc_1779a

Jnc_1756a

最初に入った庭園の入口に来ました。

Jnc_1808a

正面に庫裏があります。

Jnc_1615a

ここから書院越しにその南庭が見えます。

Jnc_1603a

お帰りの前に、ブログランキングの応援のクリック↓をして下さると嬉しいです。

★こちらを是非よろしく→   ブログ村→にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
-------------------------------------------------------------------

Jnc_1660a

|

« 紅葉2016 天龍寺 | トップページ | 紅葉2016 大河内山荘 »

2016 紅葉2」カテゴリの記事

コメント

今日の記事がアップされるや否や もう注目記事に入ってました!
ほかのブログではなかなか紹介されない寺院だからでしょうか。
私も 新鮮な気持ちで拝見しました。

今朝のニュースで、紅葉を撮影する外国客に「橋の上は禁止です」と係りが注意したら、欄干の外に出て撮ったり、他の連中を先に注意しろと 食って掛かる映像が。

りせさんも 大難儀ですね。言葉もマナーも通じない人の中での撮影。
おかげさまで私は 炬燵に入りながら 素敵な 紅葉狩りを堪能してます。感謝。

投稿: ゆっこ | 2016年11月21日 (月) 12:10

いつの拝見させていただいていますが、初コメントです。
タイムリーな情報をありがとうございます。いろいろ参考にさせていた頂いてます。今年の紅葉は数年ぶりの色づきのようですね。
25日から1泊での上洛を計画していましたがダメになってしまいました。散紅葉で再チャレンジしたいと思います。
それまでは、りせさん情報で楽しませていただきます。

投稿: テニス三昧 | 2016年11月21日 (月) 14:19

今年は天国みたいな色づきですよね。
赤が凄く繊細な変化を見せているよね。
激しく優しく。

投稿: munixyu | 2016年11月21日 (月) 20:49

おおやはり天授庵も行かれましたか~~。
等伯の襖絵が一つ足りなかったのではw
淵黙庭のすっきり感と澄心庭のうっそうとした感じの対比がすごいですよね。西に行けなかったということはカエルさんの手水鉢のとこには行けなかったってことですね。
下から三枚目の庫裏から一直線で澄心庭が見える所は大好きな眺め!今年の1月に初めて入りましたが。。。やはり一番の見どころは秋の紅葉ですね~。

投稿: ばるさろ | 2016年11月21日 (月) 21:37

★ゆっこさん こんばんは♪
三門の上から見たら綺麗な紅葉だったので、天授庵に入りました。外国人のマナーが気になることもありますが、多くは知らないことからきていると思います。一番気になるのは観光客ではなく、写真目当てで来ている方です(私もそうですが)。何時までも同じところでカメラを構えていて動いてくれません。また、XX禁止と書いてないとマナーを守らず、お寺の方とトラブルになっているのをみたことも一度ではありません。そのため、ここ数年撮影禁止の場所が増えてきたのだと思います。ちょっと、愚痴になってしまいましたが、今後もよろしくお願いします。

投稿: りせ | 2016年11月21日 (月) 23:01

★テニス三昧さん 初めまして♪
コメントありがとうございます。25日からの上洛ができなくて、残念ですね。今年は思ったより紅葉の見頃が早いようですが、まだ色づき始めの場所もあります。私の写真で少しでも京都の秋を楽しんでいただけたらと思います。今後もよろしくお願いします。

投稿: りせ | 2016年11月21日 (月) 23:11

★munixyuさん こんばんは♪
紅葉の色もいろいろあるのですね。一本の木でもグラディエーションがあって見飽きません。今年は色づきがいいのかも知れません。

投稿: りせ | 2016年11月21日 (月) 23:16

★ばるさろさん こんばんは♪
秋の南禅寺に行ったら天授庵ははずせません。南の庭は澄心庭というのですね。モミジだけでなくいろんな木が生い茂り、池の周囲の散策路も変化に富んでいますね。どの季節に訪れてもそれなりに楽しめる庭だと思いました。

投稿: りせ | 2016年11月21日 (月) 23:55

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 紅葉2016 天龍寺 | トップページ | 紅葉2016 大河内山荘 »