折上稲荷神社 働く女性の守り神
←目次 2006年1月27日から毎日更新しています。
昨日の記事のかねよで食事をした後、山科に戻ってきました。まず、この日稲荷祭が行われている「折上(おりがみ)I稲荷神社」を訪れました。珍しいお神輿の行列は町内をまわっていて、この記事の後で紹介します。
境内北(写真の左)にある稲荷塚(京都市史跡)は6世紀(古墳時代)のもので、稲荷神の前身、祖先神(田の神)が祀られていました。
後の奈良時代の和銅4年(711)に稲荷大神が降臨して、同じ時期に降臨した伏見稲荷と共に最古の稲荷神といわれています。
折上稲荷と伏見稲荷は東西の直線上にあり、いわゆる”レイライン”(聖地どうしが直線で結ばれる)をなしています。そのため、折上稲荷は伏見稲荷の奥の宮ともいわれ、同時にお参りすると稲荷のより強いご利益があるとされています。
江戸時代末期の孝明天皇が即位した時に、側に仕える多くの女官が病気になったため、折上稲荷神社に御祈祷が命じられました。
祈祷の後、女官達が奇跡的に回復したことから、女官達の間で「折上稲荷様の御利益は折り紙付き」といわれるようになりました。天皇は、以後も女官達が元気で働いてくれる様にとの願いを込めて「長命箸」をこの神社に奉納したそうです。
祭神として、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、保食神(うけもちのかみ)、稚産霊神 (わくむすびのかみ)を祀っています。商売繁盛、良縁祈願、悪縁封じ、浮気封じ、美しい髪、心の病平癒など、特に女性の信仰も集めてきました。
上で紹介した女官たちの逸話にちなんで、宮司さんが折ったキツネのお守りが授与されます。「金のおきつね」(商売繁盛・金運・仕事運)と「銀のおきつね」(開運・良縁・災難除け)は記事の最後に写真があります。
その他、節分祭の前日と当日だけの黒い「節分おきつね」(災難厄除け)や稲荷祭当日・宵宮だけの赤い「稲荷祭おきつね」(何倍もの全てのご利益)があります。風水にちなんでおきつねの「前掛け」の色が毎年変わるそうです。
「稲荷塚」 稲荷大神が最初に降臨した場所で、1,500年前から現在まで、商売繁盛、子孫繁栄、愛や平和の祈願として信仰され続けているそうです。鳥居の左手前に「中臣群集墳跡」という石碑があります。
塚の上にある「稲荷大神」、ここが最初に降臨した場所のようです。
「ひょうたん大神」 祇園の芸妓・お雪は、財閥モルガン氏と結婚してアメリカの社交界で評判となり、日本人女性の地位を高めたといわれています。モルガンお雪がいつも持っていたひょうたんのお守りの神を祀り、女性の玉の輿、良縁、出世にご利益があるとか。
「お稲荷さんの授け知恵」 石段の横に人間の脳にそっくりな木のコブがあります。ストレスよけ、創造力、学習記憶などを司る脳の各部分(看板に描いてあります)を撫でてご利益をいただくのだそうです。
「寶大神」 古くより株、宝くじ、賭け事などの祈願の信仰が厚い神様だそうです。稲荷塚の斜面にあります。
「三九郎稲荷神社」 稲荷塚の右手(東)にあります。この地に折上稲荷大神が降臨した時に、使いとして守られた白きつね三頭を祀っています。きつねたちは苦労してやっとこの地にたどり着いたことから、三頭の苦労した稲荷きつね(三苦労稲荷)といわれます。
きつねたちにあやかって、人間が生きる上での(人間関係、健康、お金に関する)三大苦労を除いてくれる神様と信仰されてきました。
稲荷塚の裏にある「裏参りの御座」 稲荷塚の表正面だけでなく裏正面も参って御利益アップを祈願します。
江戸時代に裏も参って成功した人が、柵を作って他人を入れなくしたところ罰があたったそうです。その人は悔い改め、他人に裏参りを勧めたところ、多くの成功者が出たといわれています。
神社に来るときに、「折上稲荷祭」の神輿巡行に出会いました。男の子が先頭の車に乗って太鼓をたたいています。しばらく神輿を追いかけて写真を撮りました。
後の神輿を先導する子供神輿には、三九郎稲荷の祭神が乗っています。
上で紹介した三九郎稲荷の逸話にあやかり、担ぎ手の子供はきつねのお面を付けています。
主祭神の折上稲荷が乗る神輿 町内をまわってお旅所に向かいます。神社に戻るのは夕方になるそうです。
他の神社では、女性だけの女神輿は見かけますが、最も重要な神輿は女人禁制がほとんどです。この神社は、女性の守り神だけあって担ぎ手に女性も交じっています。
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コメント
きつねの折り紙!折るの大変そうだなぁ~w
山科は数珠巡礼の本部の毘沙門堂に数珠が出来上がる数になったら行こうと思っているんですが、南の方にもいろいろありますね~
そろそろ数珠もたまったので、山科攻略にも行ってみたい~
ストレスよけ。。。是非したい!!w
投稿: ばるさろ | 2016年6月12日 (日) 23:41