下鴨神社 流鏑馬神事 2016
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昨日行われた下鴨神社の流鏑馬に行ってきました。「流鏑馬神事」は葵祭が平穏無事に行われるように祓い清める神事です。流鏑馬に先立って、午後1時から「本殿祭」が行われました。本殿でこれから儀式を行う旨を奉告してお祓いをうけます。
本殿祭が終わると、馬と射手、弓持、的持などからなる行列が糺の森の馬場に入ってきます。その後、約500mの馬場の3か所に的が据えられます。的の後ろには大きな水色の板が置かれています。
最初の3騎に乗る射手は、騎射(きしゃ)と呼ばれ公家の装束(束帯)を着用するのが特徴です。一番最初は上の写真の先頭の射手でしたが、写真がうまく撮れませんでした。
公家装束の射手に対しては、衣装をたくし上げて射るハンディがあるので、的が少し大きいのだそうです。
以後は、武家装束(狩装束)の射手が続きます。本来は5頭の馬に交互に乗るのだそうですが、昨日は何らかのアクシデントがあって4頭になったそうです。
的は手前から一,二,三の的といい、それぞれの前に有料観覧席ができています。私は二の的と三の的の中間くらいにいます。一の的はかなり遠いので、写真があまり鮮明ではありません。上が二の的、下が三の的です。
射手は「イン・ヨー」(陰陽)の掛声と共に矢を放ちます。当たれば豊作、諸願成就とされ、打ち抜いた的板は縁起ものの当たり的として、授与されます。ほとんどの射手が1~2枚の的を射抜き、3つとも的中した射手もかなりいました。
射手は「弓馬術礼法小笠原流」(小笠原流)一門の皆さんで、女性や外国人も騎乗しました。
3騎ずつ走り、一緒に戻ってきます。
二の的
ところで、流鏑馬は古代から行われており、日本書記によれば古墳時代には「騁射(うまゆみ)」、飛鳥時代には「馬的射(むなまと)」などと書かれたそうです。(こちらも全的中)
「続日本記」によると、「文武天皇2年(698)賀茂祭の日に民衆を集めて騎射を禁ず」とあり、この頃は見世物の一つで、危険なものだったようです。
平安時代後期から鎌倉時代にかけて、武士の台頭とともに武術としての騎射が盛んにおこなわれるようになりました。
藤原宗忠の日記「中右記」(1087-1138)には、鳥羽上皇が糺の森の馬場で流鏑馬(騎射)を見物したと書かれているそうです。。
その後、騎射はしばしば中断しました。室町時代の1502年の中断後、江戸時代の1694年に再興されました。
明治2年(1869)の東京遷都以降は長らく中断していましたが、昭和48年(1973)下鴨神社式年遷宮の記念行事として流鏑馬が行われました。
公卿の流鏑馬の保存を図るため、裏千家家元千宗室氏(当時)を会長として「糺の森流鏑馬保存会」が結成されました。(もう一人全的中がでました)
その後、「流鏑馬神事」として復活して1976年からは毎年行われるようになりました。
流鏑馬神事は、「下鴨神社青年会」の他に、下鴨神社・糺の森を拠点として活動しているボーイスカウト、ガールスカウトの皆さんも参加しています。
彼らは下鴨神社の多くの祭(神事)に参加して、糺の森の自然や日本の伝統文化に触れる活動をしているそうです。
数えていませんでしたが、延べ20騎くらい走ったと思います。最後に本殿の方に引き上げていきました。
楼門前で儀式が行われていました。
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ボーイスカウト、ガールスカウトの皆さんも一緒に記念撮影
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コメント
流鏑馬のドキュメンタリーを以前見たことがありますが、やはり皆さんかなり緊張されているようですね~。なかなか練習する場を確保するのも大変でしょうし。。。武道はやっていましたが、弓も馬もまったく触ったことすらないので、手放しで乗っているのを見るだけでドキドキしますw
うちの近くの神社でも流鏑馬をやっているそうですが、まだ見に行ったことがありません。。。そちらも小笠原流とのことです。今度ちゃんと見に行ってみようかなぁ
投稿: ばるさろ | 2016年5月 4日 (水) 08:33
これは難しいし、怖いだろうね。
落馬したら大変だし、馬に乗るだけでも難しいのに、
乗りながら弓引いて当てるって、凄いよね。
投稿: munixyu | 2016年5月 4日 (水) 14:19
流鏑馬の神事、罰当たりな表現ですが ほんと
かっこいい!
大好きです。
新緑に衣装が映えますね。
投稿: 8mama | 2016年5月 5日 (木) 02:43
★8mamaさん こんばんは♪
実際に見るともっとかっこいいですよ。いっぱい写真を撮りましたが、ブログに載せられません。
投稿: りせ | 2016年5月 5日 (木) 23:53
★ばるさろさん こんばんは♪
武道をやってらっしゃたのですか、かっこいいですね。
私も流鏑馬のドキュメンタリーを見たことがあります。それは女性にスポットライトがあたっていて、ハンディがないので苦労していたのを覚えています。今年の流鏑馬にはアメリカ人とカナダ人の方もいました。日本の武道にあこがれる欧米人が多いそうですね。
投稿: りせ | 2016年5月 6日 (金) 00:09