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2016年5月 6日 (金)

上賀茂神社 賀茂競馬2016

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日は賀茂競馬(かもくらべうま)を見に上賀茂神社に行ってきました。

かっては乗尻(騎手)は邸宅前まで引かれてきた馬に乗り出社しましたが、現在では上賀茂小学校を会所として参集することで往時の姿を残しているそうです。行列は社家の前の道を東に向かいます。

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末社の藤木社の前 赤い袍(ほう)を来ているのが左方の乗尻です。競馬は左方(さかた)、右方(うかた)の二組に分かれて行う団体戦のようなものです。

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競馬はきそいうまともいい、かって宮中武徳殿で5月5日に催され、天下泰平・五穀豊穣の祈願をするものでした。「馬立の儀」 藤木社の周辺で乗尻が馬にまたがって上賀茂神社に戻って行きました。

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平安時代堀河天皇の時代、寛治7年(1093)に宮中武徳殿での競馬会式が上賀茂神社に移され、その競馬料所(競馬に関する費用等を負担する領地)として、19国20箇所の荘園が寄進されたことが始まりです。右方の乗尻は黒色(茶色?)の袍を来ています。

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また、同年5月5日に宮中の殿上人・女房達が左右に分かれて「菖蒲の根合わせ」を行いました。馬が走るのは2時間後ですが、既に大勢の人が集まっていました。(上賀茂神社の一の鳥居)

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左方は上賀茂神社、右方は石清水八幡宮に祈願したところ、左方が勝ったので、その御礼に競馬会(乗り方・式・作法)一式を奉納したことが始まりとも伝えられているそうです。乗尻が下馬して鳥居をくぐり、念人(ねんじん)が先導して参道を進みます。

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「菖蒲の根合わせ」は貝合わせや歌合わせと同様に、平安時代の宮中で行われた遊びで、菖蒲の根の長短・大小を競います。馬場に「警固衆」が入ってきました。馬場内を巡回して安全を確かめます。

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小学生の皆さんですが、凛々しい行進でした。

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祭神の賀茂別雷大神に競馬を見てもらうために、竹矢来の中に「頓宮遷御」といって分霊を遷します。

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乗尻が順次お参りします。競馬は左方と右方の2頭ずつ走り、それを番(つがい)といいます。

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七つの番が行われ、それぞれ走る前に、安全を確かめ神経を集中させるために馬場内を行き来します。第一の番は「九折南下」といって、ジグザグに歩いて9回馬場を往復します。

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最初に先馬(さきうま)が走り、その一馬身後に追馬(おいうま)が出ます。第一の番は左方が先馬と決まっています。

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勝負は、この一馬身差が「勝負の楓」を通過した時点で広がったか狭まったかで決めます。第一の番は左方が必ず勝つようになっているそうです。その理由は、、

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京都所司代が奉納した馬が走ったとき、その馬に勝つわけにはいかなかったという逸話からだそうです。上と下の写真の両者の仕草も決まっているそうです。

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第二の番からは真剣勝負です。先馬が走り出すタイミングは、相撲の立ち合いのように両者の「あうん」の呼吸です。

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赤の左方がリードを広げています。

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勝敗は左の高いところに乗っている「左方後見」が判定して、右の小屋の左方念人に伝え、左方の扶持(ふじ)が勝者の色の赤か青(黒)の扇を上げます。判定がつかない場合の「持(じ)」は両方の扇を上げます。

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正しい作法ができずに一頭だけ駆け出した場合には、「入り直し」(やりなおし)となるそうです。勝った方の乗尻は竹矢来の中の頓宮に報告します。

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第三の番は右方の勝

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第四の番は最初左方が大きくリードしていましたが、

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最後に追いつかれて右方の勝。

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ここで、頓宮の神様が「もう十分見たので、後はよろしく」とお帰りになります。

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第五の番は右方がリードを広げて圧勝。

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乗尻は自分の方の念人の所に行き結果を聞きます。すると、「お勝ちでござる」あるいは「お負けでござる」といわれます。勝った場合は、禄として白い布を貰い鞭で受け取り、誇らし気に頭上高く振り回します。

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第六の番 第一の番以外は、走る前に馬場を一往復だけします。かっては、全ての番が九折南下をしていたので、陽が暮れて灯りの下で走ったそうです。

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この乗尻は高校生だそうです。

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最初はリードしていて、恰好よかったのですが、

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最後に追いつかれて、右方の勝。

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第七の番、この時点で両者3勝3敗の互角です。

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この番はかなりの接戦でした。

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わずかな差で左方が勝ちました。左方が勝つとその年はよいことがあるそうです。

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勝った左方の乗尻が「御所舎」に並びます。かっては、禄(褒美)が授けられたそうですが、現在は何もなく写真撮影だけです。

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コメント

競馬の元祖?みたいな感じで
楽しそうだよね。
馬も人間も、おつかれさまです。

投稿: munixyu | 2016年5月 6日 (金) 15:30

若々しい方達が、この装束で新緑の中を競って
駆け抜ける。
こちらも何と格好良い事。

良いお天気で良かったですね。

投稿: 8mama | 2016年5月 7日 (土) 09:29

★8mamaさん こんばんは♪
お返事が遅れました。みんな中学生や高校生の若者を応援していましたが、意地をみせるベテランの圧勝に終わり、勝負の厳しさを味わいました。さまざまな儀式の中で真剣勝負が行われ、面白い祭でした。

投稿: りせ | 2016年5月 9日 (月) 00:13

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