圓光寺 新緑の庭園 2016
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先日曼殊院を訪れた後、圓光寺にも行ってきました。圓光寺は詩仙堂の近くにあり、紅葉の名所ですが新緑の季節もなかなかのものです。また、訪れる度に新しい発見がある寺です。
「圓光寺」は山号を瑞厳山という臨済宗南禅寺派の禅寺です。
慶長6年(1601)に徳川家康が文治政策として臨済宗の僧・三要元佶(さんようげんきつ)を招いて伏見に学問所を開いたのが始まりです。(山門を入ると道の両側に牡丹が咲いていました。)
一段高くなっている境内地に入ると、枯山水の「奔龍庭(ほんりゅうてい)」が目に入ってきます。

白砂は雲海、左の石組は天空を飛び回る龍を表します。背後の切り立った石柱は龍の周囲に光る稲妻だそうです。
後に圓光寺は相国寺の境内に移りましたが、元和年間に焼失し細川忠利が再建、寛文7年(1667)幕命によって現在地に移されました。
寺の創建時、家康は多数の書籍や木活字十万を寄贈して元佶に管理させました。これにより、貞観政要や武経七書をはじめ、圓光寺版と呼ばれる図書が印刷・出版されました。(庫裡の入口や庭にシャクナゲが咲いていました。)
三要元佶は閑室(かんしつ)元佶とも呼ばれ、江戸幕府が開かれると以心崇伝らとともに家康のブレーンとして寺社奉行などの任にあたりました。(玄関には渡辺章雄の「琳派彩還 四季草花図」。)
圓光寺は、明治維新後の廃仏毀釈で荒廃して無住の寺となってしまいました。明治39年(1906)尼僧の南嶺尼(なんれいに)が廃寺寸前の寺を整備して12代住持となり、以後は南禅寺唯一の尼衆専門道場となりました。(方丈に向かいます。)
方丈から「十牛之庭」 牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にした、近世初期に造られた池泉回遊式庭園です。
十牛図は、仏道入門から悟りに至る十の道程を牛と牧童で表しています。牧童が懸命に探し求めていた悟りは牛(人間が生まれながらに持っている仏心)、すなわち、自らのなかにあったという物語だそうです。
庭の東(左)に巨石の「臥牛石」が置かれ、そこから大小十の伏せ石が牛にたとえられて配置されています。
尼寺としての長い歴史の間、修行僧たちもこの庭園を眺めて、心の安らぎを得て励まされたのでしょう。
現在は尼寺ではないそうですが、南禅寺の研修道場として歴史が引き継がれています。(こちらは内庭、手前に南禅寺の瓦が置いてあります。)
庭園に下ります。
「瑞雲閣」 最初に見た奔龍庭の奥に入口があります。応挙の竹林図屏風や出版に使用された木活字なとの重要文化財が展示してあります。
庭の南にある瓢箪形の「栖龍池(せいりゅうち)」とその周囲の「昇龍の庭」は、洛北で最も古いものだそうです。
拝観順路に沿って坂道を上って行くと、途中に「鐘楼」があります。
鐘楼の奥(十牛之庭の東)に修行中の童? 今まで気が付きませんでした。
さらに石段を登り、「境内山上」に行きます。ここには、家康、「村山たか女」、「サイド・オマール」君の墓があります。サイド・オマール君は、祖父がジョホール州の首相をつとめるなど、マレーシアの王族で名門一族の出身でした。
昭和18年当時の東條英機内閣の要請で南方特別留学生として広島大学に留学しましたが、昭和20年8月6日に被爆してしまいます。自身も重傷だったにも関わらず、重い被爆者の救護にあたりました。(たか女の墓はオマール君の墓の右奥にあります。)
8月下旬にGHQの命令で帰国のために東京に向かいましたが、京都まで来たところで病症が悪化して京大病院で9月3日に亡くなりました。そして、当時の市営墓地の南禅寺・大日山に埋葬されました。彼を知る人によると、優秀で心が優しい美青年だったそうです。
昭和35年になってこのことを知った八瀬平八茶屋のご主人らが、遺族の許可を得て翌年イスラム教式の墓碑を圓光寺に建立したのです。毎年9月には広島大学や京大病院などの関係者で供養が行われているそうです。
南方特別留学生にはその諸国の首脳や名門一族の子弟が多く含まれ、「人質」という側面があったといわれています。それでも、帰国後に祖国の政治や経済の中核を担い、知日家として日本との友好関係に尽力した人も多かったそうです。
オマール君も生きていればきっと活躍して、日本とマレーシアの友好関係に一役買ったと思われます。家康の墓は上の写真の鳥居の右手にあります。見晴らし台の真下に圓光寺の建物と庭が見えます。
ここからは、市内の中央から北部にかけて見渡せます。南西の方向の写真を加工していて、仁和寺の五重塔が見つかりました(枠の中)。
長くはないのですが、両側に石仏や石塔が並び雰囲気がある道です。
栖龍池の南を通ります。
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コメント
緑の静けさ。
夏めいてきたよね。
オマール君、残念だったね。
投稿: munixyu | 2016年5月 3日 (火) 17:04