« 京都御苑 桃の花咲く | トップページ | 大豊神社と哲学の道・桜情報 »

2016年3月25日 (金)

京都御苑 近衛邸跡の枝垂れ桜

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

Jmx_5853a
※写真は全てクリックで拡大します。

昨日は京都御苑の桃の花を記事にしましたが、実はその前に近衛邸跡の枝垂れ桜を見てきました。石薬師御門から西にある児童公園に行く途中に、枝垂れ桜が咲いている一角があります。

Jmx_5839a

御苑の北西にあたるこの場所は、五摂家の一つで、摂政や関白を多く出した近衞家の邸宅跡です。.(今出川にある「今出川御門」から入るとすぐ右手になります。)

Jmx_5929a

今出川御門からの道を隔てた向かいには「桂宮邸跡」があり、築地塀で囲まれ立派な門があり、中に建物が残っています。

Jmx_5863a

一方、近衛邸跡は、塀や建物はありませんが、池を囲む庭園は保存されており、南にある九条家跡の九条池に対して近衛池とよばれています。

Jmx_5871a

ここには、枝垂れ桜の大木が約60本あり、「近衛桜」と呼ばれ御苑では一番早く咲き始めます。

Jmx_5874a

例年ならば早く咲くものは3月中旬にはほころび始めますが、白、紅などの種類によって花の時期が違うので、全体としては1ヶ月くらい楽しむことができます(環境庁のHPから)。

Jmx_5875a

向かいの垣根で囲まれた中には枝垂れ桜の古木があります。

Jmx_5881a

かってこの場所には、安土桃山時代の当主・近衛前久(さきひさ)が建てた屋敷がありました。

Jmx_5877a

前久は、関白左大臣・太政大臣を務めましたが、戦国時代の動乱に巻き込まれ関白を解任され都を追われました。そして、懇意の大名を頼って各地を転々としました。

Jmx_5911a

やがて、力を得て全国を統一しようとする信長のはからいで都に戻ることが許され、その後は信長と親交を深めます。(垣根の周りを一周します。)

Jmx_5885a

その頃、信長の意向を受けて大友、伊東、相良、島津氏らとの和議を図り、信長と本願寺との調停に乗り出します。信長の信頼が厚く天下平定の折には近衛家に一国を与えるとの約束を得たともいわれています。

Jmx_5889a

ところが、本能寺の変が起こり信長が死ぬと、失意の前久は出家してしまいます。

Jmx_5900a

その上、明智光秀軍が前久邸(二条城近くにあった)から本能寺を銃撃したと讒言され、織田信孝や羽柴秀吉から責められました。そのため、前久は徳川家康を頼って遠江国浜松に下ります。

Jmx_5894a

一年後に家康の仲介で秀吉の誤解は解け京都に戻りますが、その後前久は政治の表舞台に立つことはなく、晩年は慈照寺東求堂を別荘として隠棲しました。

Jmx_5890a

明治維新になると近衛家は東京に移り、この場所にあった邸宅は、各地に売られて行きました。

Jmx_5909a

例えば、愛知県西尾市歴史公園(西尾城跡)に移築された「旧近衛邸」、山科区の「勧修寺本堂」(異説もあります)、奈良の西大寺には寝殿造の政所御殿が移築されて「愛染堂」として使用されています。

Jmx_5918a

また、近くの仙洞御所の茶室「又新亭」は、仙洞御所が炎上した後に近衛家から献上された物だそうです。

Jmx_5848a

この近衛邸跡では、近衛池と枝垂れ桜だけが当時の面影を伝えています。

Jmx_5857a

今日もご覧いただき、ありがとうございます。最後に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしく。

  ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
-------------------------------------------------------------------

Jmx_5906a

|

« 京都御苑 桃の花咲く | トップページ | 大豊神社と哲学の道・桜情報 »

2016 桜 1」カテゴリの記事

コメント

京都らしい桜と言えば、やっぱり枝垂れだよね。
枝垂れは風に、より敏感で揺れが美しいよね。

投稿: munixyu | 2016年3月25日 (金) 13:33

御所のこの北西の一角、本当に良い所ですね。
糸桜の上品な風情が大好きです。

願うらくは、どうぞ静かに桜見物ができますように、
です。

投稿: 8mama | 2016年3月25日 (金) 19:45

結構盛大に咲いてますね~~。祝日の月曜日に御苑に行ったんですが、どこに何があるか分かってなかったのと、あまり時間も無かったということで、泊まったホテルの近くの清和院御門から入って、桃林、梅林まで行き、白雲神社をぐるっと回って戻ってきました。。。護王神社は今回は行きませんでした~。それでも、両親を連れてぶらぶらゆっくり歩いていたら、1時間近くかかっていましたので、やっぱり他の所まで足をのばしてる時間はなかったなぁ。。

投稿: ばるさろ | 2016年3月25日 (金) 21:10

★8mamaさん こんばんは♪
最近は外国人の方も多く、ゆっくり雰囲気にひたることも難しいかも知れませんね。

投稿: りせ | 2016年3月25日 (金) 22:32

★ばるさろさん こんばんは♪
御苑は広いので歩いて回ると時間がかかりますね。今回の春のご旅行の記事も楽しみにしています。

投稿: りせ | 2016年3月25日 (金) 22:57

★munixyuさん こんばんは♪
やはり枝垂れ桜は風情がありますね。風があると写真をとるのが難しいのですが。

投稿: りせ | 2016年3月26日 (土) 01:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 京都御苑 桃の花咲く | トップページ | 大豊神社と哲学の道・桜情報 »