« 熊野若王子神社と桜花苑 | トップページ | 本満寺 枝垂れ桜2016 »

2016年3月28日 (月)

立本寺 公園廃止問題と枝垂れ桜

ref="http://kyoto-albumwalking2.cocolog-nifty.com/contents/2009/12/post-6c3c.html">目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

Jmx_6550a
※写真は全てクリックで拡大します。

昨日立本寺に行ってきました。コメントで、今年3月31日に境内の仁和公園が廃止になると教えてくださった方がいて、そこからの桜の風景を撮影するのが目的でした。残念ながらソメイヨシノはまだ見頃には程遠い状況でしたが、公園の廃止問題が緊迫していて、今の時点で記事にすることにしました。その話は記事の後半に紹介するとして、本堂前の枝垂れ桜が見事に咲いていました。

Jmx_6670a

「立本寺(りゅうほんじ)」は日蓮宗本山で、元亨元年(1321)日像が京都最初の道場として四条大宮に開いた妙顕寺龍華院が始まりです。上の写真の山門は七本松通に面していて、京都市指定有形文化財、下の写真の左が仁和公園です。

Jmx_6668a

何度も比叡山の衆徒に破却されますが、応永20年(1413)に立本寺として再興。その後、後水尾天皇より「園林堂(客殿)」を賜る程の名刹となりました。(妙見堂)

Jmx_6613a

以後何度か場所を変え、宝永の大火(1708年)で類焼した後に現在地に移りました。当時は広大な境内を有し、明治維新前は20に及ぶ塔頭がありましたが、現在では4ヶ寺が残るだけです。(祖師堂)

Jmx_6436a

刹堂(鬼子母神堂) 安産・子育ての守護で有名な子安鬼子母神を祀ります(開帳は毎月8日)。ここに祀られている日審上人には「幽霊子育て飴の伝説」があります。

Jmx_6600a

身ごもった母が病で急に亡くなり墓地に葬られました。その幽霊が飴で育てた子が後の日審だったという話です。

Jmx_6603a

本堂

Jmx_6610a

本尊は十界曼陀羅です。かって祖師堂に安置されてた日蓮上人坐像も祀られています。

Jmx_6533a

本堂前の枝垂れ桜は満開に近い状態でした。

Jmx_6573a

本堂に祀られている日蓮上人坐像には「兜の御影の伝説」があります。

Jmx_6557a

戦国武将の松永久秀家臣と佐々木広次がこの像を信仰し、出陣の際に生還すれば一寺を建立すると祈願して、像に冑を被せて地中に埋めました。

Jmx_6582a

盗賊がこれを盗もうとしましたが、像は岩盤のように重くて動かなかったという話です。

Jmx_6654a

境内の西から南へ広がる庭園は嘉永3年(1850)頃に造営されたもので、京都市の指定名勝になっています。また、紹介した建物のほとんどは京都市の有形文化財です。

Jmx_6595a

これから境内の南にある公園の方に向かいます。

Jmx_6647a

この仁和(立本寺)公園は境内の3分の1の広さがあり、仁和学区では一番大きく、その東地区では唯一の公園として住人の憩いの場となってきました。また、広場や各所に設置されている遊具には毎日たくさんの子供が集まってきます。、

Jmx_6637a

ところが、土地の所有者の立本寺の財政難から、今年の3月末で公園が閉鎖される計画が明らかになりました。この土地は、1954年から京都市が立本寺の境内を借用して公園として利用してきました。

Jmx_6530a

同様に京都市が公園として借用している他の大きな公園と比べて格安の賃料だったようです。財政難の立本寺からは2年前から賃料の値上げの要請がありましたが十分な対応が得られず、やむなく民間業者に貸すことにしたそうです。

Jmx_6520a

その業者は公園の跡地にマンション型の有料老人ホームを建設する計画とのことです。その後、京都市が賃料の値上げを打診して、立本寺が民間業者との契約を撤回しようとしましたが、事前調査の費用などかなりの額の違約金を要求されているそうです。

Jmx_6622a

戦時中に供出されて梵鐘がありませんが、鐘楼は江戸時代を代表する建物として京都市の有形文化財に指定されています。計画ではこの建物は現状のままですが、周りの木は伐採されるそうです。

Jmx_6617a

市が住民に公園の閉鎖についての説明会を開催したのが3月10日で、京都新聞によると住民からは存続の要望が相次ぎ、昨年7月に公園廃止の方針を決めたにもかかわらず十分な説明をしてこなかったことに非難が続出したそうです。

Jmx_6643a

京都市は、明日(3月29日)に再度説明会を開催するとのことです。この日公園では「立本寺(仁和)公園を愛する会」の方からこの問題の経緯の説明があり、署名活動も行われていました。

Jmx_6522a

世界一魅力がある観光都市と認知され、観光業界は潤っているにも関わらず、財政難で建物の修理もできない寺社が続出しています。このままでは、京都の歴史的景観や観光資源の価値が損なわれ、やがて観光業界にも跳ね返ってくるのではないでしょうか。以下の2枚は一昨年に撮影した写真です。

Jmr_4449a

仁和公園の閉鎖問題は、関係者や住民の努力で解決の方向に動き出してはいますが、まだ予断を許さない状況だそうです。

Jmr_4445a

最後に、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしく。

  ★こちらを是非よろしく→   ブログ村→にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
-------------------------------------------------------------------

Jmx_6542b

|

« 熊野若王子神社と桜花苑 | トップページ | 本満寺 枝垂れ桜2016 »

2016 桜 1」カテゴリの記事

コメント

この公園を廃止?木を伐採?
そんなことしたら祟りが起きるよね。
何とか、残ってほしいよね。

投稿: munixyu | 2016年3月28日 (月) 14:00

子どもと遊んでる自分発見!

投稿: ぴかるん | 2016年3月28日 (月) 15:19

★ぴかるんさん はじめまして♪
広い公園でうらやましいです。もし写真に差支えがあればお知らせください。

投稿: りせ | 2016年3月28日 (月) 22:23

とある本で、東京には公園(緑地)が多くあるのに、大阪は少ないのはなぜか。。。それは、大阪は商人(個人)が多く土地を所有し土地が細切れでそれぞれ自由に開発しているのに対し、東京は公的機関(幕府、皇族、政府等)が多く土地を所有していたということで、公共の施設を作ったり緑地など福祉施設を作りやすく維持しやすい環境だったとありました。京都は皇室が所有する土地、公共財としての寺社仏閣が景観や自然を維持していますが、寺社仏閣は税制で優遇されているとは言っても、広い敷地、老朽化する木造建築の維持が個々の背中にのしかかっている現状もあるってことですね。

投稿: ばるさろ | 2016年3月28日 (月) 23:47

心の豊かさよりも
お金の豊かさを求めるのは
心の貧しさを象徴しています
観光ブームといえど潤うのは有名な寺社で、観光地化せずに本来の寺社の姿をとどめているところは窮しています
正直者は馬鹿を見て、欲張りものが得をする
これが観光ブームのなれのはて?

投稿: 観光ブームなんかいらない | 2016年4月 3日 (日) 22:52

★「観光ブームなんかいらない」さん こんばんは♪
下鴨神社のように、世界遺産で沢山の観桜客が来ても財政難で境内を民間業者に貸し出さなければならない場合もあります。観光客で潤う、(旅行、宿泊、運輸、飲食、様々な製造業などからなる)観光業界、(それらからの税収で潤う)自治体、そして観光資源でもある寺社などが一体となって、文化財や景観を守っていくシステムを作ってほしいと思います。

投稿: りせ | 2016年4月 4日 (月) 05:16

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 熊野若王子神社と桜花苑 | トップページ | 本満寺 枝垂れ桜2016 »