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2015年11月 8日 (日)

蚕の社 京都最古の神社

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

広隆寺を出て、嵐電で一駅の「蚕の社」にやってきました。上は三条通にある鳥居、下は太子道の鳥居。広隆寺の前の通りを真っすぐ東に行くとここに来ます。

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「蚕の社」は、正式名称を「木島坐天照御魂神社」(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)といい、養蚕を伝えた秦氏ゆかりの神社です。

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秦氏は、5世紀後半に日本に渡来し、当初は深草の氏族として農業や交易により財力や勢力を蓄えたといわれています。後に伏見稲荷大社の創建にかかわったのも秦氏です。社務所

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6世紀後半に秦氏は深草から葛野(かどの)に移住し、桂川上流に堰を造り、用水路を引いて嵯峨野の開拓を行いました。秦氏は、土木灌漑技術だけでなく、製陶、醸造、養蚕、機織、金工などの先進技術を日本にもたらしました。拝殿

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そして、飛鳥時代の初め(600年頃)にこの神社を創建したと考えられています。平安遷都以後は、祈雨の神としての信仰を集め、朝廷よりの祈雨の奉幣が行なわれていたそうです。

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平安時代には、周辺一帯は「木島里」と呼ばれ、門前には市が立ち、遊女もいたとされます。拝殿が見えます。

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本殿には、天御中主命(あめのみなかぬしのみこと)を主神として、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)、大国魂神(おおくにたまのかみ)、穂々出見命(ほほでみのみこと)、鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)の4柱を祀っています。 

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摂社の「養蚕神社」 秦氏の祖神・蚕養(こかい)の神に加えて、保食命(うけもちのみこと)、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)も祀ります。製糸、織物、染色に携わる人々の信仰があります。

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本殿西の「八社」?

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実は、この神社と下鴨神社は関係が深いと考えられています。秦氏と賀茂氏は姻戚関係にあり、平安時代の嵯峨天皇の時(809-823)に賀茂明神が下鴨神社に遷され、潔斎(けっさい、物忌み)の場もここから、糺の森へ遷されました。

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そして、この神社の森は「元糺の森」と呼ばれています。この「元」は、元祖や発祥の地を意味しています。

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拝殿西にある鳥居を入ると、

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神池の「元糺の池」があって、その上にある竹垣の向こうの池中に

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「三柱(みつはしら)鳥居」があります。明神鳥居を三基組み合せたもので、「京都三珍鳥居」の一つです。この鳥居の創建時期は不明ですが、秦氏ゆかりの鳥居、あるいは江戸時代の再興時のものなどの説があります。

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江戸時代(1780年)には越後屋(三井家)が当社を三井家祈願所として再興し、現在の三柱鳥居はその後(1831年)に再建されたものです。三本の鳥居が三井家を象徴しているという説です。中央に幣帛が立てられ、本殿祭神の神座となっています。

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「元糺の池」では、下鴨神社と同様に「土用の丑」の日に足浸(つ)けの神事が行われます。かっては、三柱鳥居付近から湧き水があり、池は常に水をたたえていたそうです。

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水脈が変化して池が枯れていますが、神事のときには井戸水を汲んで池に流します。こちらの神事も「御手洗祭」と呼ばれていて、おそらくこちらが元祖でしょう。

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平成14年(2002)に行われた発掘調査では、本殿東側にも泉のあったことが判明し、元糺の池には平安時代中期以前の石敷遺構が出土したそうです。

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参道途中に、いくつかの末社への道があります。

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「白清社」 石堂の中にあり

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「宇迦之御魂大神」を祀っています。

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実は、この石堂は古墳の石室が露出したものだそうです。

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隣にある「白塚」 おそらく古墳に眠る人の霊を弔っているのでしょう。

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平安遷都や平安京の発展に大きく貢献した秦氏ですが、やがて歴史の表舞台から消えてしまいます。そして賀茂氏が創建した上賀茂・下鴨神社が、都の守護神として朝廷の祭祀を一手に担うことになります。(灯りがともりました。)

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地元の人々には親しまれてきた「蚕ノ社」ですが、上賀茂・下鴨神社と同じ神紋の「二葉葵」がちょっぴり物悲しい気がしました。

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コメント

華やかでない、寂しさを感じる神社。
原点っていうか、元祖な感じ、してるよね。

投稿: munixyu | 2015年11月 8日 (日) 16:07

ここは昔から気になっていて、今年やっと行けた神社です。ここが京都が京都になる前の中心地だったとは思えないほどひっそりしてますよね~
三柱鳥居は大陸との繋がりもあるんじゃないかとか歴史ミステリーとしても興味深い。いまでもぽつりぽつりと参拝者が居るけど、上下加茂社に比べると寂しいですが、隣に保育園もあって、地元に溶け込んでる感じが落ち着いていいです。ここはやはり嵐電で来るのが便利ですかねぇ。バスの一日乗車券を買うと、どうしてもバスで来てやろう!という貧乏根性が働いてしまって、バス停から結構歩いて疲れましたw

投稿: ばるさろ | 2015年11月 8日 (日) 20:49

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