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2015年7月 1日 (水)

吉田神社 夏越大祓式

目次  2006年1月27日から毎日更新しています。

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※写真は全てクリックで拡大します。

昨日(6月30日)は、京都のあちこちの神社で夏越祓(なごしのはらい)・茅の輪くぐりが行われました。今年は、吉田神社の「夏越大祓式(なごしのおおはらえ)に行ってきました。

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お祓いは清めの儀式として、宮中や神社で日常的に行われていますが、大祓は、特に天下万民の罪穢を祓うという意味で、毎年6月と12月の末日に行われます。この日は小雨が降っていましたが、それほど気になりませんでした。

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吉田神社の大祓式では、日常生活の中で知らずしらずに犯した罪や穢れを人形(ひとがた)に託し、焼納して清め、日々穏やかに過ごせるように願います。社務所が工事中なので、儀式の場所が例年より少し狭くなっています。

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本宮前の舞殿で神事が行われました。手前にあるのは、あらかじめ参拝者が氏名と年齢を書いた人形です。最初に、宮司の祝詞

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神官・参列者が大祓詞(おおはらえのことば)を合唱します。この内容は、高天原への天孫降臨から始まる日本神話、罪穢の種類の列挙、そして祓戸4神によりどのように罪穢が消えていくのかを述べています。

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次に、参列者が事前に渡された切り幣(ぬさ)を、体に左・右・左の順番で振りかけます。さすがに、これは写真に撮れませんでした。その後、舞殿の4方を祓い清めます。

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神官、参列者も清めます。

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祓(はら)えつ物として布を切り裂いて祓います。これは、災いは身に付いてしまった不要なものが引き起こすと考えて、それを祓うことで、本来の魂が輝きを取り戻すのだそうです。ちょっと珍しい儀式です。

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その後、人形の束や切り裂いた布切れなどを浄火(いみび)にくべ、神官らは参列者の先頭に並びます。

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まず、神官らが茅の輪をくぐります。

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参列者が続きます。吉田神社では、大きな列を作って同じ方向に3回輪をくぐります。

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列に入って、写真を撮りながら3周しました。

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ところで、なぜ夏越祓で茅の輪をくぐるのでしょうか?

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それは、蘇民将来(そみんしょうらい)の故事にちなんでいるといいます。

列は長かったので、一旦参道を登り、菓祖神社への石段付近から折り返します。

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旅の途中で宿を乞うた武塔神(むとうのかみ)を、裕福な村の長者である弟の巨旦将来〈こたんしょうらい〉は追い出しました。

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一方、貧しい村の兄の蘇民将来は、粗末ながらも武塔神をもてなしました。ここから一旦列から離れて、若宮社の石段上から。

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後に再訪した武塔神は、弟・巨旦の妻となっていた蘇民の娘に茅の輪を付けさせて、それを目印として娘を除く弟・巨旦の一族を滅ぼしました(疫病で滅んだという説もあります)。

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輪をくぐるときには、次の和歌を唱えます。

「水無月のなごしの祓する人はちとせの命のぶというふなり」(拾遺和歌集・よみ人知らず)

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武塔神は、みずから素戔嗚尊(すさのお)と正体を名乗り、以後茅の輪を付けていれば疫病を避けることができると教えたとされます。列は本宮の前を通って

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小さな茅の輪を身に付けると厄払いになることは、風土記にも記されているといいます。そして、時代とともに茅の輪が大きくなって、やがてこれをくぐるようになったとか!?

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素戔嗚尊は、これからは蘇民将来子孫家と門口に書けばどんな災厄も逃れることができるとも教えました。 これで一周しました。

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このことから、「蘇民将来」と書いた紙を門に貼ると災いを免れるという信仰が生まれ、祇園祭の厄除粽(ちまき)には「蘇民将来子孫也」と書かれています。

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茅の輪くぐりの後で、人形を納めて参列した方に厄除け「茅の輪」が授与されます(実際には自分で輪にするのですが)。列も最後になりました。

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祭 行事 ライトアップ 夏 6」カテゴリの記事

コメント

雨の中でも満員ですね。
夏祓。一年ももう半分終わったんですね。
それにしても長い梅雨。もう七夕になっちゃいそう・・・汗。

投稿: munixyu | 2015年7月 1日 (水) 13:22

神官の方々の傘がおそろいなのがカワイイですねw
茅の輪くぐりはうちの実家のあたりでは7月末でした~
夕方からぎゅうぎゅうづめで並んでましたが、吉田神社は広々してて並び方もゆったりですね~
茅の輪の話はうっすら読んだことがあったんですが、八坂神社のほうは茅の輪あるんですかね
藁を小さな輪にしたものを神社でもらって帰ったのを覚えてます。

投稿: ばるさろ | 2015年7月 1日 (水) 22:19

★munixyuさん こんにちは♪
半年のけがれ・・・そんなに溜まったんでしょうか。早いものですね。
こんどは七夕。

投稿: りせ | 2015年7月 2日 (木) 11:51

★ばるさろさん こんにちは♪
いつも同じ所もなんだし、、、と調べたんですが八坂神社は無かったように思います。祇園祭が始まるからかも知れません。あったのですか?知りませんでした。
下鴨神社に茅の輪が無くて不思議だなあと思ってたら、8月になってからありました。
宇治神社には七五三の秋にあったし・・・色々ですね。

投稿: りせ | 2015年7月 2日 (木) 11:56

文の書き方が変でしたね。。誤解させてしまったようですいません~~
藁を小さな輪にしたものは、実家の近くの宗像神社でもらったもののことでした~m(._.)m

投稿: ばるさろ | 2015年7月 2日 (木) 21:32

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