醍醐寺 霊宝館 2015春
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先日の三宝院に続いて、醍醐寺の2回目は霊宝館です。醍醐寺には、歴史的建造物以外に、仏像や絵画、工芸品など10万点以上の宝物があり、その管理・保存や公開・展示を行っているのが霊宝館です。醍醐寺の総門を入って右手に桜並木があります。
醍醐寺では、かなり以前から所蔵する品々の調査・研究が行われてきました。桜並木の端に霊宝館の入り口があり、人だかりがしていました。
特に、数が多い古文書(醍醐寺文書)については、明治時代から研究が始められ、目録の作成作業が行われていたといいます。中に入ると、広い敷地のおかげでそれほど混雑していませんでした。本館の入り口
昭和5年(1930、醍醐天皇の没後1100年)から霊宝館の建設が始まり、昭和10年(1935)に最初の施設が完成して公開されました。
私設の展示施設としてはかなり早い時期の建設で、当時最高の設備が備えられていました。
明治から昭和初期にかけての仏教の不遇時代に、寺院存続や文化財散逸の危機に見舞われる中で、上のような一連の事業は評価に値するといえます。
その後、所蔵品の増加にともない、新たに収蔵庫を新築(後に本館として改築)され、平成13年(2001)には新たに平成館が増築されました。
現在の霊宝館は、廊下でつながる本館と平成館、仏像棟から構成され、春と秋に特別展を行っています。
霊宝館の前庭の枝垂桜は、背は高くありませんが大木が多く、古いものは樹齢180年だそうです。
今年の春は、「醍醐の花見」と題して5月6日(水・祝)までの期間に開催しています。開館時間は9:00~17:00 (入館は16:30まで)です。
春期特別展の展示には、国宝6点、重要文化財31点が含まれています。そのうち、「薬師如来坐像」、脇侍の「日光菩薩像」「月光菩薩像」の薬師三尊像(国宝)は、平成館大展示室の「内陣」というスペースに常時安置されています。
この薬師三尊像は、もともと上醍醐にある薬師堂の本尊として安置されていたものでした。後ろの左側の建物が平成館 休憩室が見えます。
でも、山上にある上醍醐は道が狭く消防車が入れないので、火災が発生した場合消火作業も仏像を運び出すことも難しい状況でした。建物と反対側の通路沿いにも枝垂桜があります。
実際に、同じ上醍醐内で落雷によって焼失してしまった建物もあったので、火災から薬師三尊像を守る対策が急務でした。
結局、仏像を山から下ろし、防火設備の整った霊宝館に移動することになったのです。
大切な仏像を、山道を通って人力で下す苦労は大変なものだったそうです。参道を隔てて向こうは三宝院。
それだけでなく、上醍醐の中心的な信仰の対象を移動することに反対も多く、合意を得るのに長い時間がかかったそうです。参道沿いには、背の高い桜が並んでいます。
展覧会などに仏像を貸し出しする場合には、必ず仏像から魂を抜くための儀式を行ってから運び出すのだそうです。平成館の裏、ちょうど入り口の反対側です。
最終的に、信仰の対象ではあるが貴重な文化財を守るという難しい決断をしたということです。見事な枝垂桜でした。
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このあたりには、記念植樹(献木)された若い桜が並んでしました。
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コメント
もう桜は北のほうでしか見られませんねぇ~
なんとか貫禄のある枝垂桜などを撮ってみたい!
やはり醍醐といえば桜ですね!若いものもいいですが、年月を経た桜の堂々足る姿は絵になります!
投稿: ばるさろ | 2015年4月20日 (月) 21:39