渉成園 -枳殻邸- その2
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昨日は渉成園の庭園北口から入り、西の方の建物群を見て回りました。そこから東に行くと、大きな池「印月池(いんげつち)」があります。東山から上る月影を水面に映して愛でるという意味だそうです。池の北の畔を歩いていくと、南に京都タワーが見えます。
後ろを振り返ると、水が流れ出てくる注水口「獅子吼(ししく)」があります。昨日の小滝と同様に、かっては高瀬川から水を引いて、現在は地下水をくみ上げているそうです。ただし、こちらは滝ではなく山腹から湧き出す泉を模しています。
この先に、池の中の北大島に渡る橋「回棹廊(かいとうろう)」があります。
屋根は檜皮葺で、かっては夜半の来客の折に中央に金燈籠をつるしたそうです。
抹茶席と廊下でつながっている上段の間。「縮遠亭」の名のとおり、かっては東山三十六峰の一つ阿弥陀ヶ峰の遠景が縮図のように見渡せたそうです。
石段の上にある「塩釜の手水鉢」 全国の庭園にあるこの形式の手水鉢のルーツで、渉成園の最も重要な景物です。石造宝塔の塔身を転用したもので鎌倉時代の作。
石段を降りると池の中に「源融(みなもとのとおる)ゆかりの塔」があります。源融は、嵯峨天皇の皇子でしたが源の姓をたまわり臣籍に下り、「光源氏」のモデルの一人ともいわれています。九重の石塔は彼の供養塔と考えられ、鎌倉時代中期の作とされます。
北大島のもう一つの橋のたもとにある「碧玉の石幢(せきどう)」 石幢とは、通常の石燈籠と違って笠の部分に「蕨手」という装飾がなく、竿に節がないなどの特徴があるとのことです。なぜ「碧玉」と呼ばれているかは不明だそうです。
池の西南の畔の茶席「漱枕居(そうちんきょ)」
漱枕居という名は、旅先にあることを意味する「漱流枕石」からきています(夏目漱石も?)。
池の西で、昨日見た建物群の南端にある「?風亭(ろうふうてい)」 室内から見る景観は見事だそうで、パンフレットの表紙にもなっています。
池の方を見ると「臥龍堂」と呼ばれる南大島が見えます。臥龍堂は、もともとこの島に建てられていた鐘楼堂のことでしたが、安政の大火による焼失以来再建されていません。
先ほど通ってきた、北大島に渡る橋「侵雪橋」 頼山陽の「渉成園記」には、雪の積もったこの橋の景色が出てくるそうです。
庭園南口(出口)前に、梅園「双梅檐(そうばいえん)」があります。檐は「ひさし」の意味で、かっての?風亭のひさしがこの付近までかかっていたことを表わしています。
名前は分かりませんがいろいろな種類の梅があって、全体としては2,3分咲きというところでした。最後に、咲いている梅をいつくか…
撮影は2月27日でしたので、梅園は今が見頃と思われます。
これから桜を始めとしていろいろな花が咲きますので、花を目当てに訪れるのもよいかも知れません。また、あえて触れなかった「渉成園十三景」は、紅葉の頃がお薦めです。
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コメント
少し寂れた雰囲気が、またいいですよね。
見ごろ前の梅のちらほら加減も、嬉しいですね。
投稿: munixyu | 2015年3月 5日 (木) 12:23
閬風亭、侵雪橋がステキ!すごしやすい季節だったら
しばらくのんびりして昼寝してもいいぐらいですね~~。ここが京都のど真ん中ってのを忘れてしまいそうな景色!!やはり梅以外の花も沢山あるんですね~~ 紅葉がいいということは。。その頃は見物客でいっぱいになっちゃうのかな。。。
投稿: ばるさろ | 2015年3月 5日 (木) 22:56