御髪神社と藤原政之
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嵯峨野の竹林の道が終わるあたりに、トロッコ嵐山駅があります。
駅のすぐそばに小倉池があり、その畔に「日本で唯一の髪の神社」として知られる御髪(みかみ)神社があります。
御髪神社は、京都市の理美容業界関係者らによって昭和36年に創建され、藤原鎌足の末孫・藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき)を祀っている。では、藤原政之とはどんな人物だったのでしょうか。
政之の父・北小路左衛尉藤原基春は、亀山天皇の時代(鎌倉時代)に京都御所の北面の武士として宝物の警護にあたっていました。ところが、宝刀・九龍丸の紛失事件の過失により職を解かれ 三男の政之を連れて下関に下ります。
当時の幕府は、蒙古襲来に備えて下関に大勢の武士を集めていたので、刀も集まると考えこの地で宝刀を探そうとしたのです。この日は神職が不在でした。
しかし生活は苦しく、基晴親子は下関で髪結をしていた新羅人からその 技術を学び、武士を客として髪結所を開きました。
店の床の間には、亀山天皇と藤原家の先祖を祭る祭壇があり、いつしか下関の人々は「床の間のある店」、「床屋」という屋号で呼ぶようになりました。
その後「床屋」という言葉は全国に広まり、下関には床屋発祥之地の碑があります。一方、父基春の過失を償おうと、長男は反物商人、次男は染物師となって京都で宝刀を探します。
下の写真は髪塚 髪に感謝して、所願成就を祈念するため、髪の一部を副髪として奉納し、永代供養します。
藤原基晴は弘安元年(1278)に没してしまいますが 政之は床屋をつづけながら宝刀の探索を続け、豪商の協力により逐に九龍丸を捜し出して天皇に奉還しました。
政之の髪結いは評判を呼び、幕府から京都風の髪を結う髪結職として重用され 鎌倉で屋敷も賜り代々その職を受け継ぎました。
時代は変わり元亀3年(1572)、17代目・籐七郎は、武田信玄との戦いで敗走中の徳川家康を助けた功績により、江戸八百八町の髪結職の営業権を与えられました。また橋見守役や火事の際の奉行所の重要書類搬出などの役目も仰せつかりました。
さらに、二代将軍秀忠が「四民髪を結うは勝手のこと 身を綺麗にするは長寿の元なり」という触れ書を出してから、庶民もこぞって髪を結うようになり、江戸時代の風俗文化に大きな影響を与えました。
御髪神社は、髪の守護、理美容業界の繁栄、学業成就などの御利益があるとのことです。
小倉池の畔の道を行くと、人形工房&カフェテラスの「アイトワ」があります。
この道をもう少し行くと、常寂光寺の山門に・・・。嵯峨野散策の名所が続きます。
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絵馬には理容・美容学校入学祈願や髪の毛の切実な祈願なども。絵馬には黒髪豊かなお姫様が描かれ、「くし形」になってるのも良いですね。
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コメント
はじめて、聞く神社です。床屋は、そこから、来ているんですね。おもしろいです(^_^) 苦労されて、宝刀を探し、見つかって、最後は、苦労が報われ、よかったです。
白鷺かな?立っている姿が、美しいです(^_-) 最後の絵馬の美しいこと、きれいな人なんでしょうね。
投稿: ごま | 2013年8月23日 (金) 10:31
電気の神様がいたり、髪の神社で髪の神様がいたり
いやぁー、こういうちょっと変わった神社も
いいもんですよね応援
投稿: munixyu | 2013年8月23日 (金) 12:35
↑
応援じゃなくて♪です
お、ってうったら、変換をまちがえちゃいました
すいません
投稿: munixyu | 2013年8月23日 (金) 12:39
★ごまさん こんばんは♪
神社の成り立ちって、聞いててみると歴史も色々ありますね。
あの絵馬、飾ってても素敵です。値段がちょっと高い、1000円です。
投稿: りせ | 2013年8月23日 (金) 22:38
★munixyuさん こんばんは♪
何にでもご利益有りじゃなくて、個別の神社って効き目がありそう。
♪・・・私は時々「おんぴ」って打ち間違えしてます。(笑)
投稿: りせ | 2013年8月23日 (金) 22:42