南禅寺 参道から三門・法堂へ
過去の全記事 2006年1月27日から毎日更新しています。
先日の記事に続いて、南禅寺橋から参道を通って南禅寺境内に向かいました。下は橋の上からインクライン、いつも桜の頃に訪れていてこの時期に歩いたことがないかも知れません。
「うつわや あ花音」 1990年に開店、生活に花を添え会話の音色を楽しむきっかけとなるような器を販売しているそうです。常設展と年に6回ほど展覧会を開催しています。久しぶりに開いているところを見ました。
「八千代」 小川治兵衛の庭を眺めながら、南禅寺名物の湯豆腐や旬の食材を使い継承の技を伝える京懐石が頂ける料理旅館です。八千代は 安土桃山時代に御所に出入りを許された魚問屋として始まり、
天正16年(1588)聚楽第での盛宴の際にご用命を受けたと記録に残っているそうです。上は旅館・宴会場の入口で、料亭の入口はその左にあります。店先の紅葉が鮮やかでした。
「南禅寺参道 菊水」 料亭旅館の「菊水」が昭和30年(1955)にこの地に開業、7代目「小川治兵衛」が作庭した庭園と数寄屋造りの建物を配しています。1階には庭園を望むダイニングルームやテラス席もあり、気軽に利用できるそうです。
「ブルーボトルコーヒー 京都カフェ」 築100年を超える伝統的な京町屋をリノベート。重厚な柱や梁の骨組みに、大きなガラス窓や高い吹き抜け、広々とした空間を活かした照明など、開放感溢れる店内になっています。裏にテラス席があります。
「南禅寺 順正」利尻の昆布だしを使いなめらかな舌触りの湯豆腐が名物。「順正書院」(登録有形文化)は天保10年(1839)学問所として開設、豊富な山水を使ったその広大な庭園を眺めながら食事ができます(右に入口があり、下は売店です)。
「綾戸大明神」 詳しい創建の時期は不明ですが、亀山法皇の離宮であったこの地に牛を飼う人がいて、醇酒を醸して帝に献上したそうです。応永年間(1394-1428)南禅寺の伯英和尚が廟を設け、南禅寺の鎮守としました。
「真乗院」 室町時代の宝徳2年(1450)南禅寺第139世・香林宗簡(こうりんそうかん)がこの地に庵を創建しました。武将・山名宗全が深草郷を寄進、師・月庵宗光より深草の末寺・栄松寺、大圓庵とその所領も譲られました。
享徳2年(1453)に香林が亡くなると、後花園天皇は真乗院の創建を許可し、香林の塔所となりました。その後は、華屋宗厳(1428-1486)が継ぎ、応仁の乱(1467-1477)後、現在地に再建されました。山名宗全の墓があります。
南禅寺「中門」は、慶長6年(1601)松井康之より、伏見城松井邸の門を勅使門として寄進されました。後に、天皇からの勅使門の拝領に伴い現地に移され、現在は表門の役割をしています。
境内の中央の参道横に、杉洞の句碑「この門を入れば涼風おのづから」。杉洞は伊万里市にある南禅寺派圓通寺の森永湛堂老師の俳号で、熊本県の白髪岳から運ばれた15トンの石に自筆。老師はホトトギス派の同人・選者で、門弟三千人といわれます。
「三門」 南禅寺開創当時の永仁3年(1295)西園寺実兼の寄進によって建立されました。その後、改築と焼失を経て、現在の三門は寛永5年(1628)に藤堂高虎が大阪夏の陣に倒れた家来の菩提を弔うために再建しました。
三門とは、仏道修行で悟りに至るために通過しなければならない三つの関門、空、無相、無作の三解脱門を略した呼称です。主として禅宗寺院では、本堂を涅槃(悟りの境地)として、そこに至る門を三門と呼びました。
振り返って、「勅使門」は寛永18年(1641)明正天皇より、御所にあった「日の御門」を拝領したものです。古くは天皇や勅使の来山の折に限って開かれ、現代では住持の晋山に限って開かれます。
三門をくぐって右(南)に「天授庵」。南北朝時代の暦応2年(1339)南禅寺開山・無関普門の塔所として建立されました。下はいつも閉まっている正門で、右に拝観入口の山門があります。左に「開山大明国師(無関普門)霊光塔」の石標があります。
「正因(しょういん)庵」 南北朝時代の至徳年間(1384-1386)に南禅寺49世・徳叟周佐(とくそうしゅうさ、1324-1400)が隠棲。徳叟は常陸に生まれ、夢窓疎石に師事、等持寺、鎌倉・瑞泉寺、天龍寺の住持となりました。
「法堂」は、法式行事や公式の法要が行われる場所で、南禅寺の中心となる建物です。創建当時のものは応仁の乱で焼失、その後復興されました。慶長11年(1606)豊臣秀頼の寄進により大改築されましたが、明治26年(1893)の火災によって焼失しました。
法堂の須弥壇上中央には本尊の釈迦如来、右に獅子に騎る文殊菩薩、左に象に騎る普賢菩薩が祀られ、天井には今尾景年筆の幡龍図が描かれています。幡龍(ばんりゅう)は、天に昇る前にうずくまってとぐろを巻いている龍です。
最後は振り返って三門、このあと水路閣に向かいました。お帰りの際には、ブログランキングの応援のクリック↓をよろしくお願いします。
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